2004.11月 第68号


楽しくうまくなるための一冊をさがそう!
テクニックをつけよう!
***おすすめ楽譜特集***


ピアノ上達のためには欠かせないテクニックの習得。しかし、これらの練習は生徒たちにとって苦手意識を持ちやすいものでもあるため、近年工夫を凝らした教材が数多く出版されています。今回はその中から指づくりのためのテキストを中心に、特徴的なものをピックアップしてみました。

■導入期〜初級向け

はじめてピアノをひくときに ピアノランド 
  たのしいテクニック 上・中・下
(樹原涼子 著/音楽之友社 各1260円)

 ピアノを始めたばかりの小さな子どもが、歌や指あそび、手あそび等を通じて、楽しみながらテクニックを身につけていけるテキストです。最大の特徴は、テクニックの習得を「単なる指先の運動」ではなく、「イメージ通りの音色を出すために身体全体をどう動かしていくか」とし、綿密なカリキュラムが組まれていること。緊張と脱力、腕の使い方、手首の使い方など、実際の曲ですぐ役立つ項目を満載し、生きたテクニックにつなげていきます。対応ミュージックデータ(各巻2枚組、各5775円)あり。

♪ロリン・ピアノ・コース《テクニック@》
 総合的なピアノ・テクニックと音楽性を育てるための
メソード

(キャサリン・ロリン 著/安田裕子 訳 
全音楽譜出版社 1050円)

 ギロックの高弟のひとりであり、すぐれた教育者・作曲家でもあるキャサリン・ロリンによるメソード。「柔軟な手首」「強い指」「手首のローテーション」など、12の基礎テクニックを習得することを目的とし、各ユニットの冒頭にはエチュードの目的と準備、習得のためのステップが明示されています。今後続巻刊行予定。

■ポスト・バーナム!?
 スポーツや動物の動きとテクニックを結びつけた書

表現のためのピアノテクニック 
♪ピアノ・スポーツ 改訂版 @〜C
(キャロリン・ミラー 著/安田裕子 訳 全音楽譜出版社 各1050円)

 アルペジオをサッカーの「ダイレクト・キック」、スタッカートをバスケットの「ドリブル」にたとえるなど、スポーツの動きをエチュードにした、ユニークなテキスト。各曲には身につけるべき課題が一目でわかるように示されているので、それぞれのテクニックを効率よく学んでいくことができます。スポーツのように、リアルな動きと表現を身につけましょう!

♪ビーニー動物園
ピアノがひけたワン!

(キャサリン・ロリン 作曲/安田裕子 訳 全音楽譜出版社 1365円)


ピアノのための30の小品 
♪ピアノ・マジック
[導入者のために]
(アリーシア・ジョーナス 音楽・お話・解説/秋本有子 訳 全音楽譜出版社 1050円)

  この2つのテキストは、チンパンジーやカエル、ちょうちょなどのかわいい動物たちのイメージとテクニックとを結びつけた小品集。発表会にもおすすめです。
 同様に、14匹の猿の特徴をテクニックと結びつけた
初歩者のためのピアノの絵本 お猿のお話し」(マーガレット・ゴールドストーン 著/安田裕子 訳 全音楽譜出版社 1155円)も、人気の一冊。

■ハノン、ツェルニーが
 難しい生徒には……!

くまのプーさんといっしょ
♪こどものプレ・ハノン
ハノンに無理なく進める

(佐々木邦雄 編/ヤマハミュージックメディア 998円)

 小さな子どもが達成感を持って取り組めるよう、音符の大きさ、曲の長さ、進度に配慮。各曲伴奏つきで、連弾感覚で楽しくハノンへの準備ができます。


指の動きをよくするピアノ・ワーク
♪ビギナーのためのHANON
(内藤雅子・森本琢郎 共著/ドレミ楽譜出版社 1050円)

 ハノンの構成要素「5指の独立」「スケール」「カデンツ(コード)」「アルペジオ」から、初心者に必要な課題を取り出し、まとめたテキスト。年齢を問わず使えます。

バイエルのあとに
♪ツェルニー30番への
ステップ・エチュード

(板東貴余子・石川淑子・池田典子 共編/ドレミ楽譜出版社 1050円)

 本書では「後半で急に難しくなる」「テクニックが不統一」とされるツェルニーの問題点を改善。「リトルピアニスト」「第一課程練習曲」「100番」「初歩者のためのレクリエーション」などから同レベルの曲をセレクト、30番への道を確実にします。
 同様のコンセプトで編纂された
「テクニックをつけよう@A」(武田宏子 編/音楽之友社 1575円、1470円)もおすすめです。

■譜読みナシ、   
すぐ使えるテキスト

すぐに思った指が動かせる!強化(教科)書
♪スーパーフィンガーズ
(田村智子・岩瀬洋子 著/ミュージックキー 735円)

 1ページに右手と左手のエチュードが各1段ずつ。そしてその内容は、3つの音を片手ずつ、いくつかの指づかいで順番に弾いていくだけ。でも確実に指の動きが速くなる! という魔法のようなテキスト。譜読みの必要がないので、宿題をやってこなかった時など「さあ今日はどうしよう?」といった場合にも使えます。

指の支えをつくる
♪メトード〈基礎〉&レパートリー16

(金子勝子 著/春秋社 1260円)

  指の〈支え〉をつくることを目的としたテキスト。その内容は、指変えなしの音型を全調弾いていくというシンプルなものですが、途中何ヶ所かに設けられたアクセントを「瞬発力で落とす→すぐ力を抜く→次の音に移る」という奏法でマスターしながら指のコントロール力を高めていきます。メトードの効果を試せるレパートリーつき。
  また、“模倣”を通じて指先のテクニックのみならず聴く力や表現する心を育てる「集中力を育てる ピアノ ファースト レッスン シリーズ」(原田敦子 著/ヤマハ 各1365円)も、譜読み不要のおすすめテキストです。

■“目的弾き”の生徒さんに!

♪ロマン派ピアノ名曲マスター
エチュード編 @長調/A短調

(江口文子 著/ヤマハミュージックメディア 各1365円)

 ロマン派作品を弾くためのエチュードを「@長調」「A短調」の二巻に凝縮したテキスト。各エチュードが弾きたい作品に直結しているので、生徒さんもきっと熱意を持って取り組んでくれるはず。「レパートリー編」(同 1365円)も併せてゼヒ。

ポピュラー・ハノン・シリーズ
 
♪ジャズ・ハノン
♪ブルース・ハノン
♪ブギウギ・ハノン

(レオ・アルファッシー 著/シンコーミュージック 1260円〜1365円)

 ポピュラー・ピアノの練習にハノンを適用した、異色勝人気の教本。それぞれの“ツボ”を押さええながらセンスのよいエチュードを弾くことで、テクニックを養うことができます。クラシックからポピュラーへの導入としても、おすすめです。

■エチュードの効果を
高めてくれる本

♪マエストロ・プロフォンドのすてきにピアノシリーズ
 
@ペダリング
A豊かなタッチ
B完璧な練習法
C音楽のイマジネーション
D音楽の様式

(ピーター・コラッジオ 著/ショパン 各1260円)

 「演奏の手引き」シリーズ(全音)の著者としても知られる、ピーター・コラッジオ教授による音楽絵本。ともすれば堅く、小難しくなりがちなテーマを「音楽絵本」の形に仕上げているのは秀逸。ぜひレッスン室に置いていただきたいシリーズです。


♪チェルニーってつまらないの?
「チェルニー30番」から何を読みとるか
(室井摩弥子 著/音楽之友社 1470円)

「チェルニー30番」から何を学んでいくのか、そしてどのように音符から音楽を作っていくのか…… 本書ではそれらの大切なポイントを、楽譜に示しながら解説。「チェルニー」とどう付き合っていくべきか迷った時、ぜひお読みください!

                           (取材・文 LPO編集室)



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