2004.6月 第63号
ピアノへの導入をスムーズにする
ピアノ入門者向け
ソルフェージュ教材
すべての音楽の基礎となる「ソルフェージュ」は、現在ピアノレッスンの現場でも盛んに取り入れられていますが、ひと口にソルフェージュといっても、導入期に使えるものから音大受験まで、その内容・レベルは本当にさまざま。したがって、指導者はレッスンにソルフェージュを取り入れる目的をしっかりと見極め、機能的なレッスンにつなげていきたいですね。
一方、最近では導入期や、もう少し早い段階(=生徒の低年齢化に対応)で使用することを目的とした、「楽しみながら学べる」教材も多数出版されています。
そこで今回は、ソルフェージュの使用目的を「ピアノへの導入をスムーズにする」ことに定め、「読譜」「リズム感」「うた心」を身につけることをテーマとした、ピアノ入門者向けおすすめ教材をご紹介します!!
|
*** 人気ベスト10 ***
1)子供のためのソルフェージュ(音友)
2)ソルフェージュ ドリル(学研)
3)リズムとソルフェージュ(音友)
4)4才/5才のリズムとソルフェージュ(音友)
5)やさしいソルフェージュ(ドレミ)
6)きれいにうたいましょう ソルフェージュ(ヤマハ)
7)リズムの基礎(音友)
8)才能を育てる子供のソルフェージュ(音友)
9)きく・よむ・かく ・うたう はじめてのソルフェージュ
(ヤマハ)
10)ソルフェージュ ゆめのミュージック・トレーン(音友) |
♪「子供のための ソルフェージュ
1a」
(子供のための音楽教室 編/音友 893円)
1954年の刊行以来、130回もの版を重ねる、ソルフェージュ教本のベストセラー。
支持される理由は、綿密なカリキュラムをベースとした内容と、シンプルな構成。一曲が短く、進度もゆるやかなため、途中で混乱することなく、確実に読譜力やリズム感をつけていくことができます。ただし、自分が子どもだった時にこのテキストでのレッスンが好きだったかというと……? シンプルな分、楽しいレッスンのためには、指導者側の工夫が必要かも知れませんね。
また、1aではへ音記号が出てこないこともあり、「教本を上下
逆さまにしてヘ音記号の譜読みをさせています」という意見も。
♪「ソルフェージュ ドリル1〜4」
(田丸信明 編/学研 各840円)
本書はソルフェージュの基本要素となる「リズム練習」「聴音」「視唱」「楽典」をバランスよく学べるテキスト。「ドリル」の名にふさわしく、たくさんの問題を解くことで、力をつけていきます。内容は田丸シリーズ「新版 おんがくドリル」に完全準拠。
一方、より幼ない生徒さんには、「幼児版 ソルフェージュドリル
上・下」(同 各1050円)があります。
♪「4才のリズムとソルフェージュ」

♪「5才のリズムとソルフェージュ」

(呉 暁 著/音友 各1155円)
ピアノ教育におけるソルフェージュ指導の重要性を説かれ、関連テキストを多数出版されている呉
暁先生による、幼児を対象としたソルフェージュテキスト。
黒々とした大きな音符が印象的なこのテキストは、「リズム」と「ふよみ」を指導の2本柱とし、幼児でも無理なくこなせるリズム打ちや譜読みを通してピアノを弾く準備に備えます。それぞれの指導ポイントと巻末にガイドがついているのもうれしいところ。続編に「リズムとソルフェージュ1〜4」(同
1155円〜1260円)があります。
また、呉先生が書かれたピアノ上達のためのソルフェージュ指導書「ソルフェージュからピアノへ―4・5歳児のピアノ指導―」(2266円)、 「ピアノの上達はソルフェージュから」
(2520円)も、ソルフェージュレッスンを取り入れる前にはぜひ読んでおきたい書としておすすめします。
♪「すくすくミュージックすくーる リズムの学校・1」
(江口寿子 著/全音 945円)
音符とはじめて出会う生徒さんのために作られたテキスト。(1)巻では、8分音符、4分音符、2分音符、付点2分音符、全音符の5種類の音符について学びますが、それぞれの音符を動物の鳴き声と結びつけ、音符がもっている大きさや重さ、エネルギーを、イメージと興味をもって捉えることができます。全2巻の予定で、A巻は7月下旬の刊行予定です。
また、テンポの遅速や、音の強弱や高低、調性などを豊かなイメージと結びつけて学習するテキスト 「おみみの学校1・2」 (同 楽譜のみ各840円、CD付各1680円) もおすすめです。
♪「視唱・試奏・聴音のための ともだちソルフェージュ
〈初級編〉〈中級編〉〈上級編〉」
(石丸由理 編著/ドレミ 各630円)
「視唱」と「聴音」を中心としたテキスト。〈上級編〉では、伴奏をつけながらの視奏課題も収録されています。一冊630円というコストパーフォーマンスも魅力。
視覚的に音に親しみやすいよう、〈初級編〉の導入部分では色五線を使っていますが、これが何ともカラフルでカワイイ! こういったちょっとした工夫が、特に導入期の生徒さんには大切ですね。ひとつひとつの音符も大きく、見やすさも◎。
♪「たのしいソルフェージュ うたあそび1〜3 ピアノとともに」
(遠藤蓉子 著/サーベル 各1365円)
子どもたちもよく知っている歌を、振り付けや手あそびなどを交えて歌うことで、音感とリズム感を身につけるという、とっても楽しいテキスト。
特徴的なのは、歌いながらリズムを打つ、歌いながら踊る、歌いながらピアノを弾くなど、歌いながら常にもう一つの「何か」をすること。同時に二つのことに集中することを数多く経験することを通じて、両手奏などへのスムーズな導入につなげていきます。
全ページわかりやすいイラストつき。
♪「きれいにうたいましょう ソルフェージュ
入門編〜3」
(ヤマハ音楽振興会 編/ヤマハ 各903円〜1050円)
全曲ピアノ伴奏つきで、「合わせる」楽しさや和声感を育てていくテキストです。
課題となる曲は、世界の民謡やクラシック名曲の中から、美しく歌いやすい音域のものが選曲され、どんな年代の生徒さんにも使えます。また、ある程度ピアノが弾ける生徒さんには弾き歌いの教材にするなど、さまざまな活用が可能です。
また、同シリーズに 「きれいにうたいましょう ディズニーのメロディーによるソルフェージュ
1・2」(同 1155円・1260円)もあります。
(取材・文 LPO編集室) |