2003.1月 第46号



「作曲家本」再読ノススメ。

自分自身の知識再構築のために
生徒さんと作曲家とのステキな出会いのために

LPO編集室 編


  時代や文化を超えて、人々に愛される作品を遺した作曲家たち。心動かされるあのメロディはどのようにして生まれたのか、あの作曲家はどんな人だったのか……。先生としては、こういったことも生徒さんにきちんと教えてあげたいですよね。
 また近年、従来の定説を覆すような新説も続々登場しており、先生ご自身も改めて理解を深めておく必要がありそうです。
 そこで、今回は作曲家の「作品」ではなく、「作曲家本人」について書かれた本を選りすぐってご紹介します!

☆生徒さんにおすすめ!
  気軽に読めるシリーズ。

「マンガ音楽家ストーリー」 シリーズ
 1)バッハ 2)モーツァルト 3)ベートーヴェン 
 4)ショパン 5)シューベルト 6)シューマン
7)ブラームス

            (芦塚陽二 監修/ドレミ 各900円)

マンガ音楽家ストーリー(7)
ブラームス

ブラームスって、若い頃は
こんなに美青年だった?
学校の音楽室の肖像からは
想像もつかないですよね。


 各時代を代表する7人の作曲家の生涯をマンガで描いたシリーズ。読みやすさ・親しみやすさはバツグンです。また、シューマン、ブラームスなど、ロマン期の作曲家の巻もあるのはうれしいですね。きっと生徒さんにも抵抗なく読んでもらえるはず。

 その他の作曲家マンガとしては、次のものがあります。

「楽聖まんがシリーズ」
 バッハ/モーツァルト/ベートーヴェン/
                シューベルト/ショパン

               (ケイ・エム・ピー 各1000円)

「ベートーヴェン」
(高瀬直子 本文漫画/神田貴幸 シナリオ/
    手塚プロダクション 解説漫画/講談社 700円)

                     
「文庫 ルードウィヒ・B  上・下」
          (手塚治虫 作/潮出版社 各485円)


 一方、マンガに負けないくらいおもしろいものとしてご紹介するのが、

「もし大作曲家と友だちになれたら…」
 (スティーブン・イッサーリス 著/板倉克子 訳 
                      音友 1800円)

 世界的チェリスト・イッサーリースが、子どもたちが楽しんで読める伝記をと、みずから書きおろした一冊。
 バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、シューマン、ブラームス、ストラヴィンスキーの6人の作曲家を取り上げ、その人柄、音楽、生涯のエピソードを、彼ならではのユーモアあふれる語り口で紹介。私たち大人が読んでも、思わずクスリと笑わずには
いられない、とても楽しい読みものです。

音楽タイムトラベル
もし大作曲家と友だちになれたら・・・


出版元・イギリスでも大人気!
“amazon.co.uk”児童書コーナーで
「ハリー・ポッター」の次に
ランクされたこともあるとか!


☆その足跡を改めて辿り直し、
       彼らの真実の姿を知る。

「モーツァルトをめぐる人たち」
「変革の魂、ベートーヴェン」
「革命とショパン」

 (石井清司 著/ヤマハミュージックメディア 
          各1700円/ショパンのみ1600円)

 「貴族の時代」と、新たに台頭してきた「市民(ブルジョワジー)の時代」の二つを実に巧みに生き抜き、表現の場を維持し続けたモーツァルト、意外にもつきあい上手、売り込み上手だったベートーヴェン、祖国の革命か音楽か…… 若き日にその選択を迫られ、結局パリに逃れたからこそ、今日に偉大なる作品を遺せたショパン――。
 これらはノンフィクション作家・石井清司氏によるシリーズ。丹念な取材により、彼らの足跡をきめ細やかに辿ることで、作品に触れるだけでは決してうかがい知ることのできない真実の姿が見えてきます。今回ご紹介する本の中では少々堅めの読み口ではありますが、読み進むうちに、どんどん引き込まれるシリーズです。

モーツァルトをめぐる人たち

読み進む上で、貴重なガイドとなる
肖像・図版が効果的に
盛り込んであるのも
魅力のひとつ。

「偉大なる普通人 ほんとうのベートーヴェン
             (滝本裕造 著/KB社 1200円)

 「楽聖」ベートーヴェンは、実は「偉大なる普通人」だった!? 
 本書は、ベートーヴェンの数々の人間臭いエピソードを掘り起こし、時には定説をも覆しながら、その真実の姿を伝えようとするもの。
 次々に繰り出される意外なエピソードに驚いたり共感しながら、読み終える頃には自分の中に、それまでとは少し違った「ベートーヴェン像」が出来上がっているかも。


偉大なる普通人
ほんとうのベートーヴェン


読みやすさにも配慮されていて、
わかりやすい文章で、
難しい漢字には“ふりがな”
もついています。



☆彼らと関わった女性たちも、
           見逃せない存在。


「五線譜の薔薇」
(萩谷由喜子 著/ショパン 1600円)

 なぜか音楽史に登場する作曲家といえば、男性ばかり。しかし「国際女性作曲家事典」(Cohen,Aaron I,N.Y.Books & Music U.S.A.)には、十五世紀以来6000名の女性作曲家がリストアップされているとのことですし、音楽は決して男性だけのものではなく、彼女たちの存在は、歴代の大作曲家たちにも少なからずの影響を与えていたはず。
 本書は、クララ・シューマン、マルグリット・ロン、ジョルジュ・サンド、ファニー・メンデルスゾーン、マリア・アンナ・モーツァルトら12人の女性にスポットを当て、その人生と音楽、作曲家や音楽家とのエピソードを綴ったもの。それらを通じ、よりリアルな作曲家たちに出会えるはず。

五線譜の薔薇
音楽史を彩る女性たち


ジャクリーヌ・デュ・プレ、
エディット・ピアフ、
マリア・カラスなど、
近代の音楽家も登場します。

「恋する大作曲家たち」
 (フリッツ・スピーグル 著/山田久美子 訳                           音友 2800円)

 こちらはもうそのものズバリ、大作曲家たちの恋愛史。純愛、不倫、秘めた恋…… それぞれの恋愛模様が当時の書簡や日記などを元に、赤裸々に明かされています。従来の定説を覆す「新見解」もお見逃しなく。


恋する大作曲家たち

巻末には
「大作曲家のペットたち」という
興味深い章も。
ちなみに、ドビュッシーは犬派、
ラヴェルは猫派だったそう。

☆まだまだある!
    作曲家のエピソード。

「音楽史とっておきの話」
(武川寛海 著/音友 950円)

 音楽評論家として数々の著作を持ち、ミュージシャン・タケカワユキヒデさんのお父上でもあった、故・武川寛海氏による書。「バッハのかつら」「夫にするならショパンさま」「偽作、盗作、盗名(?)」「思ったことを正直にしかいえなかったプロコフィエフ」など、まさに“とっておき”のエピソードが満載!

音楽史とっておきの話

紹介されているエピソードは、
実に38題。
こんな話を生徒さんにして
あげられたらステキですね。


 以上、簡単にご紹介してまいりましたが、いかがでしたか……? 今回ご紹介したものは新刊も多く、いずれも秀作ぞろいなので、ぜひぜひチェックして下さいね。
 先生も生徒さんも、作曲家とのステキな出会いがありますように……!

                       (取材・文 LPO編集室)



第47号へ

バックナンバー“index”へ

Topへ