2001.11月 第32号


“生徒の視点”から作った、新しい大人のためのピアノ教本

「やさしいピアノレッスン」
〜Easy Piano Lesson〜

ウェルピアノ

 この度発刊された「やさしいピアノレッスン」シリーズ(ウェルピアノ 編/デプロ 刊)は、「こんなテキストでピアノを習いたい!」という“生徒からの視点”をふんだんに盛り込んで制作された、新しい試みがいっぱいの大人のためのシリーズです。今回は、企画・制作をされました「ウェルピアノ」さんに、制作経緯をはじめ、よりよい活用法などについてお話をうかがいました。


■ピッタリの教本がない?

―― ウェルピアノさんは、もともとは主にグラフィックやWebデザインなどを手掛けられているデザイン会社さんだそうですが、今回ピアノ教本を手掛けられたのはどうしてですか?

ウェルピアノ(=以下「W」).
  制作のきっかけは、スタッフのひとりがピアノを改めて習い始めたことでした。そのスタッフは子どもの頃にバイエルの上巻で挫折したという経験がありしたが、仕事柄、楽譜の表紙のデザインなど音楽にも関わる部分があり、その上でも改めて音楽の知識がほしいと思ったこと、また、趣味としても自分の好きな曲を楽譜を使って弾けるようになれればいいな、と思ったことをピアノの先生に話したところ、先生は「他の大人の生徒さんからも同じ要望が多く、いろいろ探しているけれど、ピッタリの教本がなかなか見つからない」とおっしゃったそうです。さらに話していくうち、先生ともども「希望の教本がないのならいっそ自分たちで作ったらどうか」ということになりました。それが本シリーズ制作の第一歩でした。

―― 確かに「大人のための教本」は、ここ数年でかなりの数のものが出版されましたが、それを実際のレッスンの現場で使われる先生方にとっては、まだまだ試行錯誤の段階だと聞いています。では、大人の生徒さんが求めている教本とはどのような教本なのでしょうか?

■大人が求めている教本とは?

W.やるべきことの多い現代人にとって、趣味を長続きさせるには「楽しさ、面白さ、わかりやすさ」がなくてはならない要素だと思います。そこで私たちは、それまでのピアノ教本を参考にしながら、ピアノを弾きたいと思う大人が本当に求めているものが何なのかを改めて考えてみました。

@やさしく、でも「大人らしい」教本
A音符の玉は大きめ
B途中で急に難しくならない
C大人も楽しめるアレンジ
D持ち運びに便利な大きさ

 これらに対し、本シリーズでは、全くピアノを弾いたことのない方、音符の読めない方でも独習が可能な教材づくりを目指し、鍵盤の見かた、五線譜の見かた、ピアノの座りかたにも多くのページを割いて詳しく図解しました。
 また、それぞれのステップでは、一貫して

「項目説明」→「トレーニング」→「バイエル練習曲」→「課題曲」

という流れをとり、非常にゆるやかに進むようにしました。その一方、大人に適した文章とイラストを心がけ、デザインにも気を配りました。
 それから、音符の玉の大きさに関しても、パッと見て「これならできそう」という印象で自信を持たせるため、初めのうちは音符の玉を適度に大きめにしたり、会社帰りにもレッスンに行けるよう、教本の大きさを通常より少し小さいA4サイズにするなどの細かい配慮もしました。  

―― なるほど、「大人に適した文章とデザイン」というのは、大人の教本ではとても大切なことと聞きます。その他にも「大人からはじめる」ということに対してのさまざまな配慮をされていますね。
一方、制作過程では、モニターの方からも意見収集をされたそうですね。

W.はい、これらの要素を教本づくりにより繁栄させるため、「独習の人」「先生に習う人」のそれぞれにモニターをお願いし、その意見を参考にしながら制作を進めていきました。何度も何度も作り直し、「これじゃわかんない〜」から「これならわかる」になるまでの試行錯誤は大変なものでしたが、その結果、モニターさんの「生の声」を反映した教本を完成させることができました。現在、そのモニターさんたちは、2冊めの教本の完成を心待ちにして下さっています。

■大人のための遊び心あふれるアレンジ

―― 「バイエル練習曲」や「課題曲」はとても楽しい伴奏付きですが、選曲やアレンジはどのようになさったのですか?

W.選曲は、みんながよく知っていてメロディーが口ずさめそうなものを基準にしました。楽譜が上手に読めない時でも、口ずさむメロディーが助けとなって上手に弾けるようになれますよね。特にBegin編≠ナは、使える音やリズムにかなり制限があるので、綺麗な旋律でシンプルな音・リズム使いの曲を選びました。
 また、伴奏のアレンジについてですが、
「バイエル練習曲」は、初心者の生徒さんが基礎的な事を覚えるにはとても良い勉強になる教材だと思いますが、一方似たような曲調のものが多いなど、大人の生徒さんにとっては少し物足りないのでは、とも思い、伴奏とつけることによってそれぞれ違うスタイル(コーラスライン風、ボサ・ノヴァ風、教会風、ブギウギ風、子守歌風など)の曲に仕上るようにしました。意表をつく伴奏のため、最初のうちは大変かもしれませんが、練習を重ねるうちに、アンサンブルを楽しみながら弾いてもらえると思います。

―― まさにアッと驚かされる、意表を突いたアレンジですよね。教材にこういう「遊び心」があると、生徒さんも先生も、楽しみながらレッスンを進められるでしょうね!

■ホームページで模範演奏が試聴できる!

W.また、この教本との連携企画を盛り込んだ、ピアノを弾きたい人のためのホームページを制作しました。


http://www.well-piano.com/
こちらがトップページ。
興味ひかれるコンテンツがたくさん!



こちらは「模範演奏試聴ページ」。
それぞれの演奏の表示番号は、
テキストの番号と完全対応しています。


  まず教本との連携企画としては、この教本の全掲載曲(現在は“Begin編”のみ)の模範演奏をweb上で試聴できるようにしました。模範演奏はもちろん、伴奏の部分も聴けますので、パソコンと連弾を楽しむこともできます。また、弾き始めのタイミングの調節、繰り返し回数の指定などの機能もありますので、生徒さんのレッスンの予習・復習の助けになり、先生も充実したレッスンを行うことができると思います。
 そして、その他にも「バーチャルピアノ」というピアノ体験ソフトの公開、「自分の実力をタナにあげて弾きたい曲リクエスト」コーナーなど、生徒さんがより「ピアノ」に親しむことのできる内容とともに、ピアノ教室や先生たちの情報も載せて、生徒と先生が一緒に楽しめるホームページに発展させていければと思っています。

―― それは楽しみですね。では、ピアノの先生にメッセージをお願いします。

 現在、ウェルピアノではこの教本を利用していただけるピアノの先生をホームページ上にて募集しています。応募していただいた方はホームページの紹介コーナーに掲載いたします。
 また、教本づくりに協力していただける方々も募集しています。大人の教本に限らず、子どもやシニア向けのレッスン教材に対してアイディアをお持ちの方、あるいはそれを実行されている方、一緒に教本作りをしてみませんか。ご興味がある場合は、こちらのメールアドレス(
info@well-piano.com)までご連絡をよろしくお願いいたします。 

「やさしいピアノレッスン 〜Easy Piano Lesson〜」
☆第1巻“Begin編”

編著者:ウェルピアノ
アレンジ協力:ひるさきあゆみ
発行:株式会社デプロ
本体価格:1,200円

バイエルの上巻の前半部分にあたり、両手で弾くことができるレベル。ただし、音域はト音記号のド〜ソまで抑えてあり、指かえも出てこないようにしてあります。

以後
“Step Up編”“Enjoy編”“Technique編”
と続巻予定

(写真はStep U編)

乞うご期待!

 


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