2001.3月 第24号
こんな時、何を読む?
LPO編集室 編
☆演奏法・指導法の原点に戻る!
「演奏法」というと堅苦しく聞こえがちですが、作曲者、そして自分の想いを自由にピアノで表現するには、やはりテクニックが必要ですよね。さらに生徒に対しては、そのテクニックをいかに身につけさせてあげられるかが問われるのでは?
数ある演奏法本の中で最もおすすめなのが「ピアノ奏法 音楽を表現する喜び」(井上直幸 著 春秋社)。
「ピアノ奏法」
音楽を表現する喜び

ご自身でお読みになるのはもちろん、
生徒さんへのプレゼントしてもステキですね。
また、これらのテクニックを映像で確認できる
「ビデオ版 ピアノ奏法」(春秋社)もオススメです。
この本では、「表現する喜び」を感じるための数々のテクニックが、100を超える譜例と多くの図版でわかりやすく説明されています。「どんなふうに教えれば生徒が上達してくれるのかわからない」「どんなテクニックがあるのか、もっと勉強したい」という時、ぜひ読んでほしい1冊。 一方、バイエル、ブルグミュラー、ツェルニー、ソナチネといった定番教材について、何をポイントに指導すればいいの?
という方におすすめなのが、これらの譜面に指導上のポイントが実際に赤字で書き込まれた
「ムジカノーヴァピアノレッスン」シリーズ(音友)、「レスナーのための指導のポイント」シリーズ(ATN)。これまでの指導に自信をつけたい方に。
☆『ピアノ』という楽器について、
もっと詳しくなる!
ピアノの先生は、ピアノ曲には詳しくても、「ピアノ」という楽器については意外と知らないことが多いのでは?
読みやすさでいえば
「ピアノを読む本 もっと知りたいピアノのはなし」(ヤマハ)。楽器の構造から歴史的背景、そして雑学的知識までを網羅しています。
「ピアノを読む本」
もっと知りたいピアノのはなし

「ピアノの鍵盤はなぜ白と黒?」から
「ピアノ名手のハリウッド・スターは誰か?」まで、
会話に使えるネタ満載!
一方、ピアノの変遷、進化をじっくり辿るには
「ピアノの歴史 楽器の変遷と音楽家のはなし」(大宮眞琴 著/音友)。紀元前3世紀の"オルガン"から今日のピアノまでを、時代の音楽家との関わりを交え、検証します。また、チェンバロ、クラヴィアコード、フォルテピアノという、楽器の進化著しい時代にスポットを当てた
「チェンバロ・フォルテピアノ」(渡邉順生 著/東京書籍)もオススメ。
☆『こども』について、もっと知る!
自分が大人になればなるほど、わからなくなってくるのが「こどものココロ」。レッスンがうまくいかない時、ただやみくもに指導法を模索するのではなく、こんな本を読み、冷静になってみることが必要かも知れませんね。
「心理学から学ぶピアノ指導のヒント 子どもの心をとらえるピアノレッスン」(ヤマハ)は、普段のレッスンを発達心理学や教育学の側面から検証した一冊。
心理学から学ぶピアノ指導のヒント
「子どもの心をとらえる
ピアノレッスン」

教材選び、読譜指導、ソルフェージュ指導、
レッスンでの言葉かけなど、子どもの成長に沿った
指導法を提案。
今まで腑に落ちなかった生徒の反応を本の中の事例に当てはめてみることで、これまで気付かなかったものが見えてくるかも。
また、同様の視点で書かれたものとして
「音楽は子どもに何を与えられるか 心の成長に欠かせない音楽教育」(ヤマハ音楽振興会 編/ヤマハ)が。子どもの成長過程において音楽教育が果す役割を、ヤマハ音楽教室の指導事例をもとに、様々な角度から検証します。
そして「ピアノ学習の基礎」(伊能美智子 著/春秋社)もオススメ。もともとは子どもにピアノを習わせるお母さん向けに書かれたものですが、様々な子どものレッスン事例とともに、導入期指導の具体的なノウハウとアドバイスが収載されています。
☆こんな時、どうすればいいの?
いろんなケースを網羅しているという点で
「ピアノレッスンQ&A あなたの疑問は解決します」(江口寿子・夏目かおる・江口彩子 共著 全音)がナンバーワン。
「ピアノレッスンQ&A」
あなたの疑問は解決します

読譜からお母さんとのお付き合いについてまで、
レッスンにまつわるすべての悩みに
江口先生と一音会の先生が答えました。
これまで悩んでいたことに対する答えをきっと見つけられるはず。
一方、「レッスン内容よりも教室運営の悩みが多いのよね…!」という方には、「ピアノ教室の救急箱」(ヤマハ)がおすすめ。こちらは教室運営のためのノウハウが満載です!
☆大人のピアノ、こうする!
生徒さんも、それなりに知識をお持ちで、やりたいこともはっきりしているからこそ難しくて奥深い、大人のレッスン。多くのノウハウを身につけましょう!
「大人のピアノ 長続きのコツ」(大村典子・大崎妙子 共著/ヤマハ)には、まさにそんなノウハウが満載。
「大人のピアノ」
長続きのコツ

初心者、再開者、継続者それぞれに対しての
アプローチ法、教材、イベント企画などが。
生徒へのアンケート集計など、データも豊富。
また、大人の方は読譜で挫折されるケースも多いですよね。そういう方には、五線譜を使わないレッスンを検討してみては?五線譜を使わないレッスンについては「「超」ピアノ演奏法 誰でも弾けるピアノ」(戸塚亮一 著/ショパン)をよむべし。
☆あらゆるデータを蓄積!
できる$謳カは、情報収集にも余念がありません。
注目は「もっと知りたいピアノ教本」(音友)。
もっと知りたい
「ピアノ教本」

ピアノ教本の一大データ・ブック。導入教本を
中心に、現在楽器店で目にすることのできる
大半の教本のデータを収載しています。
この時期の教材選びを強力にアシストしてくれることでしょう。
その他
「名盤鑑定百科 ピアノ曲篇」(吉井亜彦 著/春秋社)
「ピアノ音楽史事典」(千蔵八郎 著/春秋社)
「CD-ROM ピアノレパートリーガイド」
(中村菊子 監修/ヤマハ)
「日本の音楽コンクール全ガイド 2001年版」
「世界の音楽コンクール全ガイド 2001年版
(4月下旬発売予定)」(ショパン)
などはレッスン必携ツールです。
☆今年こそ、"コード"に強くなる!
ジャズ、ポピュラーピアノを教える時、避けて通れないのが「コード」。今年こそは、是非とも克服いたしましょう!
「楽しく学べる」という点では
「若松正司の音楽セミナー コードのしくみ1/2」(若松正司 著/音友)がオススメ。
若松正司の音楽セミナー
「コードのしくみ1・2」

「Yes/No」形式の「入門テスト」からはじまり、
話口調の本文、各コードには楽しいイラスト
(一見の価値あり!!)付きと、
遊び心にあふれたシリーズ。
続編として「コードの使い方@A」(音友)もあります。
一方、「できれば1冊でマスターしたい!」という方には、「絶対わかる! ポピュラー和声」(香取良彦 著/リットー)がオススメ。こちらも楽しいイラスト、豊富な譜例はもちろんのこと、クラシック用語からもポピュラー理論用語からも検索できる、充実の索引つきです。
☆あの作曲家を攻略!
演奏解釈本は数多く出ていますが、中でも
「ブラームス 性格作品 演奏の手引き」(T.シューマッカー 著/全音)に注目。
「ブラームス 性格作品」
演奏の手引き

主に交響曲での人気が高いブラームス作品ですが、
ピアノ曲だって負けてません!
耳の肥えた大人の方の指導にも、ゼヒ。
バラード、カプリッチョ、インテルメッツォなど、多彩な内容を持つブラームスの性格作品をステキに弾くために、ゼヒ。
その他、バッハ、ショパン、ラヴェル、シューマン、ドビュッシーなど、各出版社よりいろんな作曲家、ピアニストの解釈本が出ていますので、お気に入りの作曲家のものはぜひぜひチェックしてくださいね!
以上ご紹介してまいりましたが、一番大切なのは、これらの情報をただ鵜呑みにするのではなく、情報をもとに、生徒一人一人のレッスン方法を考えていくことです。大変な作業ですが、きっとその分やりがいも大きいはず。皆さまの新学期のレッスンが、充実したものでありますように! |