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ショパン 実用版ドビュッシーピアノ作品全集]T ドビュッシー《12の練習曲》 中井 正子 ![]() 1.本来の楽譜には書かれていない指使いとペダル記号を付 1と2、どちらかだけの楽譜はこれまでにも出版されていましたが、両方を兼ね備えているのは現在のところ、この【実用版】だけです。筆者がパリ国立高等音楽院をはじめ、長くフランスで勉強し伝統的な演奏のスタイルを学んできたこと、そして、かねてより親交のあった、デュラン=コスタラ社「ドビュッシー全集」監修者のルシュール氏、同校訂者のエルフェール氏の協力を得て、パリ国立図書館で自筆譜を調べたり、当時のアカデミックな先生方や演奏家たちに伝統的な見識を聞きながら記譜上の疑問を解決していったことが、こうした【実用版】の刊行を可能にしました。 《12の練習曲》は晩年の作品で、ドビュッシー自身が病気であったために校正が殆どされず、他の作品に比べて多くの修正が必要でした。音の間違い等は、資料で残されているものだけでは判断の出来ないものもあります。例えば第3曲〈4度音程のために〉の最後から2小節目には、従来の楽譜では前の小節のEs音から4度音程のCF音にスラーがかかっていますが、自筆譜では前の小節のCF音からのタイとして書かれているのが分かり、愕然としたものです。しかしそれだけではまた判断の出来ないものがあるので、ドビュッシー自身の作曲のためのスケッチ等も参考にしています。(それらの修正、補足はすべて角カッコ〔 〕で明示) また運指については、ドビュッシーの作品に運指の付けられているものは殆どないのですが、特に《12の練習曲》では、序文にドビュッシー自身が「Cherchons nos doigtes!(それぞれの指使いを求めよう!)」と記したがゆえに、歴代の校訂版にも運指は付けられてきませんでした。しかし、この【実用版】では、「誰もがその楽譜を読めばそのまま弾ける」ということに重点をおいていますので、運指を付けてあります。ペダル記号についても、ハーフ・タッチと同様、ドビュッシー演奏に欠かせないハーフ・ペダルの記号を特別に付け、さらに普段使われることの少ないソヌテヌート・ペダル(3本ペダルの中央のペダル)の記号も、最小限の範囲で付けてあります。 この【実用版ドビュッシーピアノ作品全集(全12巻)】シリーズは、現在までに9冊出版されています。楽譜が出版される度にドビュッシー講座が開かれていますので、そちらにもご参加いただけると、このシリーズをさらに有効に使っていただけると思います。楽譜の誤りが修正され、運指やペダルが書き込まれているこの【実用版】を、指導者の皆様にはもちろん、演奏者の方々にも大いにお役立ていただければ幸いです。 ◆実用版 ドビュッシー ピアノ作品全集(中井正子
校訂/運指・ペダル記号付) 中井正子(なかい・まさこ) |