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音楽之友社 標準版ピアノ楽譜 ハノン・ピアノ教本 New Edition (小鍛冶邦隆・中井正子 解説 税込定価 1155円) 小鍛冶邦隆 中井正子 ![]()
テクニックについての新しい考え方 19世紀後半に活躍した、フランスの音楽教育者としてのハノン(アノン)が1873年に出版した《ピアノ・ヴィルテュオーゾ》が、今日「ハノン・ピアノ教本」として知られるものです。ここでは楽曲中の難しいテクニックを簡易化して学ぶ方法よりも、どのような技術的困難にも対応できるテクニックの効率的な学習方法が探求されています。「ハノン」が楽曲の難易度に関わりなく有効に使えるという特徴はここにあります。学習者は現在学んでいる段階に応じて、必要なテクニックを「ハノン」から引き出すことができるのです。このような19世紀から20世紀に至る、演奏上のテクニックについての新しい考え方について、新刊「ハノン・ピアノ教本 New Edition」の解説中で作曲家の観点から小鍛冶邦隆が詳しく説明しています。 ハノン練習法・指導法の重要さ 一冊の教本が様々な学習段階に対応できるということは、当然この教本をいかに用いるか、という問題に到着します。ハノンは60曲からなるこの教本を練習曲集(エチュード)でなく、課題集(エクスサイズ)と呼んでいます。この教本は、特定の目的(テクニック)の為の練習曲というよりは、学習者が直面した新たな技術的困難を解決するために、様々に応用可能な課題集として構想されているのです。作曲者ハノンはこれらを独習可能とすらしていますが、勿論指導者がこの教本の特徴を理解したうえで、学習者に合理的な練習法を指導することによってこそ、最大の成果が期待できるといえます。新刊「ハノン・ピアノ教本 New Edition」では、ピアニスト中井正子がこの教本を用いる指導者に、ピアノ演奏のテクニックを学ぶ上のアドヴァイスと、ハノン練習法と指導法について具体的に解説しています。 進化するハノン 「ハノン」は20世紀に至っても、編集者による様々な改変を経て、新しい時代に対応してきました。新刊「ハノン・ピアノ教本 New Edition」は、もう一度「ハノン」の原典に戻り、真に音楽的なテクニックを学ぶ方法と意味の自覚を得られるように意図されたものです。今度はこの教本をいかに用い続けるかによって、「ハノン」は学習者各人のなかでそれぞれの進化を続けて行くのです。 小鍛冶邦隆(こかじ・くにたか) 中井正子(なかい・まさこ) |