1999.11月 第8号

東音企画
バスティンメッソード導入シリーズ
「ピアノパーティー」

藤原亜津子

   一人でも多くの音楽好きを育てたい、との想いでピアノ指導を始めて 年が過ぎた今、基礎をしっかり伝えることのできる教本は何か? 数ある教本の中でも、私の中で生き残ったもの、それがバスティンメッソード(東音企画)でした。そのうちの「ベーシックス・シリーズ」に先立つコースである「ピアノパーティーシリーズ」は、基礎の基礎から徹底してかみくだいて音楽を学ぶのに必要な要素を与えてくれる導入期の教本です。

♪「ピアノパーティー」の特色
 このバスティンメッソードは「総合音楽教育」(弾く、聴く、創る、理論)を骨子としており、いわゆる「弾くこと」だけに偏っていません。また、全調メッソードなので、導入期から調性感、調性による色彩感を学ぶことができるのが最大の魅力です。
 ポイントは「読譜」に至るまでの学習が実に整理されていて、自然に確実に力がつくように構成されている点です。生徒の年齢やレベルに合わせて、いろいろな教材の組み合わせをすることができるのですが、ピアノパーティーシリーズを使って導入する場合、ピアノパーティーA・Bの2冊を経てから、初めてCで読譜に進みます。したがって「パーティー」を使った場合が、バスティンによる導入の中で最もかみくだいた読譜へのアプローチを実践できるのです。

♪「ピアノパーティー」使用上のポイント
 ピアノパーティーシリーズは、「ピアノパーティーA〜D」「聴音と楽典パーティーA〜D」「パフォーマンスパーティーA〜D」の3種類に分かれています。

「ピアノパーティー」…    
主教材で、他の2冊とセットで進めていきます。

「聴音と楽典パーティー」 …  
書いたり聴いたり弾いたりしながらより確かに身につけさせます。

「パフォーマンスパーティー」…
補助教材の曲集で、ピアノパーティーと同程度のテクニックの練習曲が盛り込まれています。

これら3教材がA〜Dレベルの4段階に分かれています。

A… 指番号のみのプレリーディング(五線譜なしの方向読み)
   「あがる」「さがる」「おなじ」を確認していく。
B… 音名の入ったプレリーディングで弾き、移調の学習も始ま    る。
C… 五線譜の読譜に入る。拍子、休符、表現する基礎などを
    学ぶ。
D… 全 調、5指ポジションの曲を読譜し、弾く。

♪ここが楽しい! 「ピアノパーティー」

・カラフルな絵が楽しい。絵を見ながら、先生も生徒もそこからイ
 メージを広げることができ、会話も弾む。イメージを持ち、それ
 を音に変えることへの導入がスムーズ。
・表現するために大切な手首の柔軟な動きも最初の入口から取 り入れられていて、生徒は自然に奏法を学んでいる点(グーモ ーションと呼んでいます)
・音程読譜で進めていけること、表現力を重視していること。な  どなど……
 
  現代の子どもたちは、かつてよりも早い時期に、塾や部活へと忙しくなるようです。ですから忙しくなる前に、しっかり読譜力をつけて、表現の基礎を短い期間で学ばせてあげて、音楽的に「自立」させてしまえばいいのです。基礎がしっかりついていれば、中級で挫折しないのです。指導者にとって教える内容が実に順序良く整理され、教えそびれる心配もしなくてすむところも、とてもありがたいですね。私はピアノを教え始めた頃から、「基礎とは何か?」ということを常に問い続けてきました。繰り返しますが、それを支えてくれる教材として、最終的に生き残ったのが、このピアノパーティーシリーズをはじめとするバスティンメッソードだったのです。


●藤原亜津子(ふじわら・あつこ)
 茨城県竜ヶ崎市で藤原音楽スタジオを主宰。全日本ピアノ指
 導者協会正会員(竜ヶ崎支部事務局長)。コンペティション
 審査員。ヤマハセミナー講師。小学校音楽専科教諭・高等学
 校音楽科講師を経て、現在聖徳学園短期大学付属高等学校 ピアノ科非常勤講師を務める。バスティン・ピアノベーシック
 ス・シリーズを足掛りとし、独自で作成した補助教材やピア
 ノプレーヤーを駆使した指導により、ピティナ・ピアノコン
 ペティション・指導者賞を1987年より10回受賞。



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