2004.3月 第60号


サーベル社

バイエル併用
おもしろクイズ・ブック
(全5巻、順次刊行)

遠藤蓉子


 私は、これまでに数多くのワーク・ブックを作ってきました。ワーク・ブックは、音符の読み書きを練習するためのもので、ピアノのレッスンの一科目として定着しつつあると思います。これまでも、子どもたちが少しでも楽しい気持ちで取り組んでくれるようにと「おたのしみクイズ (「バイエルぴったりワーク・ブック)」や「チャレンジ・ゲーム(「ピアノのがくてんワーク・ブック」)」、「音あてクイズ(「おんぷ・にこにこ・ワーク」)」など様々な工夫をしてきましたが、今度の「おもしろクイズ・ブック」は、現代のデジタル時代に生きる子どもたちのための究極の楽しいワーク・ブックです。

 「おもしろクイズ・ブック」では、AからDまでの四つの選択肢の中から正しい答えを選ぶという方式をとっています。文章問題が中心になりますので、どちらかと言えば小学生以上の少し大きな子ども向きです。「ステップ」のページで学んだことを「おもしろクイズ」で力だめしをするようになっています。一応バイエルの進度に沿っていますが、全体が体系的に構成されていますので、あらゆるテキストに対応することができます。

 「おもしろクイズ」のおもしろさは、表面的なおもしろさではなく、真剣に考えて問題を解くことのおもしろさです。四者択一方式は、線結びや○×方式に比べると少し難しいかもしれませんが、自分の知っている知識を総動員して正しい答えを選ぶことは何とわくわくすることでしょう。そして、正解した時にはなぜか本当に嬉しい気持ちになるから不思議です。しかし、クイズはクイズですから、間違った時でも笑って済ませられるのが楽しいところです。知らないことや忘れていることは、その場で覚えれば良いのです。そして、何度も復習しているうちにいつの間にか身についていくのです。実際に「おもしろクイズ」を作るのはかなり大変な作業でしたが、いろいろ考えているうちに私のアイデアも膨らみ、奇抜な着想の問題やちょっと意地悪な問題も織り交ぜて、楽しい出来上がりとなりました。子どもたちにも先生にも楽しんでいただけると思います。

 いくらピアノの練習をしようと思っても、音符が読めなければ正しく練習することができません。自分で音符を読み、楽譜を正しく理解するということが必要です。時には苦しいピアノのレッスンを側面からサポートするワーク・ブックは、できるだけ子どもたちを楽しい気持ちにさせるデザートのようなものであってほしいと願っています。中には、ピアノの練習はあまりしないけれど、ワーク・ブックの宿題だけは熱心にやってくる子どももいます。もし一週間何もしなかったら音符そのものを忘れてしまいますから、それはそれで良いと思います。

 この全く新しいタイプのワーク・ブックに取り組むことによって、子どもたちがすべてのことに前向きに挑戦する気持ちになり、ピアノの上達にもそれが反映されることを期待しています。私自身も、テキスト制作を通して、勉強や習い事、そして遊びで忙しい子どもたちの心をピアノに惹きつけることに挑戦しています。ぜひ、多くの先生方に使っていただきたいです。


●プロフィール

ピアノ教育研究家。1991年よりテキスト執筆活動を開始。1996年より独自の音楽教育システムを実践。2001年より公開講座を展開。幼児から年配の方まで幅広く指導。日々のレッスンの中からわかりやすく時代にマッチしたテキストを多数執筆。(http://homepage3.nifty.com/yoppii

●著 書

 「1才からのピアノ・レッスン」
 「青い空とピアノ、そしてコーヒーと私」  
 「うさぎさんワーク」「よいこのピアノ」「こどもの初見奏」
 「スピード・バイエル」「ツェルニー・コンタクト」

 (以上サーベル社)他多数。



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