2003.10月 第55号


成田教育研究所


成田剛の新ピアノ・メソード
「すてきなピアノ日記」
シリーズ


成田 剛


◆可愛い3人の生徒

  現在の私のピアノの生徒は、6年生から3年生までの3人の孫たちです。この子たちの指導で母親から頼まれたことは、「ピアノの専門家にするつもりは全くないが、上手でなくてもいいから、生涯音楽が大好き! という子どもに育ててほしい」ということでした。私もその考えには大賛成で、どの子も幼稚園の年中組に入園したのを機にピアノを教えはじめました。
  子どもたちの生活は多忙で、友だちと遊ぶこと、週1回の塾、毎日決まっているテレビ観賞時間。少しでも暇があればテレビゲーム。その間をぬって学校や塾の宿題。その次がやっとピアノの練習です。そんなわけで、ピアノの練習は母親に叱られて週に2〜3回、ソルフェージュの課題は1〜2回小声で歌うだけ、という状態です。それでもレッスン日にはニコニコしながらやって来て、なんとかかんとか誤魔化しながらも毎週1曲のペースで曲を仕上げ、ソルフェージュの1節も無事に終わって、シールをもらって満足顔で帰っていきます。

◆読譜力と音感を育てる

  私がテキストを作るにあたって基本として考えたことは、

1)読譜力を育てること
2)音感の土台を育てること
3)喜んでピアノで弾いてみたくなる楽しい曲を集めること

の3点です。私のテキスト作りにご協力いただいた先生方の生徒さんも「ピアノが大好きで……」と順調に育っているのを見るにつけ、私が目指している方向が正しかったと確信しています。私の3人の生徒たちも、たいして練習もしていないのに、毎週1曲のペースで、よたよたしながらも課題を消化していくことには感心していますが、それも読譜が苦にならないことと、確実な音感の土台が育っている結果だと思います。その底力が、年1回の発表会となると見違えるように演奏する力となっています。

◆曲の魅力こそ生徒を惹きつける第一歩

  私は孫たちの進歩に合わせて曲を作り、また多くの協力して下さる先生方の指導結果の意見を参考にしながら、子どもの興味を示さない曲はカットし、楽しく弾いてくれる曲を並べる…… という形でテキストづくりをやってきましたが、その結果生まれたのが
「すてきなピアノ日記」シリーズであり、それに続く「すてきなピアノ・エチュード(全6巻)」シリーズです。
  こうしていろいろな曲を子どもたちに弾かせてみて驚いたことは、ブルクミュラーやシューマン等の子どものために作られた曲が、1曲として子どもたちに人気がなかったことです。子どもたちが喜んで弾いてくれるためには、リズムや和音・メロディー・歌詞などに、子どもの気持ちにフィットする 何か を持っていることが絶対に必要なことが判ってきました。その点が私がこのシリーズを作るにあたって、最も苦心しているところです。
 
「すてきなピアノ日記・1」は、5歳からピアノを始める生徒の導入用で、「ソルフェージュ・1」「おんがくドリル・1」と併用して使います。およそ1年で終了してそれぞれの(2)巻へと進み、順調にいくと小学1年生からは「すてきなピアノ・エチュード・1」に進みます。現在「すてきなピアノ・エチュード」の(3)巻以降を制作中ですが、目指すことはただ一つ、ピアノを始める生徒全員が、「ピアノが大好き! 音楽が大好き!」と育ってくれるテキストを作りたい。その一念で頑張っております。

●プロフィール

01年に長年勤めてきた名古屋音楽大学を途中退官し、「成田音楽教育研究所」を起こして、子どものピアノ指導・大人のピアノ指導のためのテキスト作り・指導法の研究に専念。子どものテキストとして「すてきなピアノ日記 1・2」を出版し、それと併用する「ソルフェージュ 1・2」、「おんがくドリル 1・2」を出版する。それに続くテキストとして、「すてきなピアノ・エチュード(全6巻)」および「すてきなソルフェージュ(全6巻)」を制作中で、現在(2)巻まで出版されている。
一方、中高年になってからピアノを始める人たちの指導を10年近く続けており、その使用テキストとして〔大人のピアノ・スクール〕シリーズの『ピアノ入門』『譜読み入門』を出版。それに続く『抒情ピアノ曲集(全10巻の予定)』の第(1)巻も出版済。今後続々と出版を続ける予定。
(以上はいずれも「成田音楽教育研究所」の出版です)



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