2002.3月 第36号


音楽之友社

よい耳・よい手・歌心と読譜力を育てる
「プレ・ピアノランド」シリーズ
ぐんぐん差が出る二段階導入法


樹原涼子


 3歳でピアノを習い始めることがめずらしくなくなってきたこの頃ですが、教える側の苦労は大変なものがあります。もみじのような手はフニャフニャ、指は1本ずつ動かない、脱力はできない、椅子にじっと座っていられない…… 本書は、そんな生徒をもてあましている先生方の悩みを解決するために書きました。 

 先を急ぐあまり、悪い癖がつくことに目をつぶり、とにかく弾かせることに夢中になってしまうと、あとで苦労するのはだれよりも生徒本人なのです。

 「はじめからきれいに弾ける」ためにはどのようにしたらよいか、“二段階導入法”という手法をこの本で広く紹介することでこのレッスン方法が定着し、ひとりでも多くの子どもの努力が報われるようになることが私の願いです。

「二段階導入法」とは

 導入期を
ピアノを弾くための準備期間(第一段階)
ピアノの演奏(第二段階)
の二つに分けて考え、ピアノを弾くための大切な要素を先に学ぶことにより、“はじめからきれいに弾ける”ことを目指します。

〈第一段階〉ピアノを弾くための準備期間

 「よい耳」「よい手」「歌心と読譜力」を、「プレ・ピアノランド1・2」のそれぞれ30ずつの楽しいメニューに沿って育てていきます。生徒は毎回5〜8程度のメニューを、どこまでも楽しく、エキサイティングに取り組んでいきますが、60のメニューをマスターした段階では、独特のイヤートレーニングによりテンポ感、拍子感、音を聴き分ける力が身につき、ドレミファソ ドシラソファの読譜、きれいな手の形、指の独立、タッチポイントの意識などが育っています。
 カラーのイラストを見ながら、ミュージックデータに合わせて指の筋力トレーニングや脱力のメニューをやったり、様々なイヤートレーニングにより”音の聴き方”のコツを学ぶことで、第二段階でピアノを演奏する質が驚くほど向上します。

〈第二段階〉ピアノの演奏

 第一段階で学んだことを生かし、「プレ・ピアノランド3」「ピアノランド1」を併用しながら、シンプルで易しい曲を美しくていねいに仕上げていくことで、本当の音楽力をつけます。
 すでに、目だけで楽譜を追うことができ、テンポ感もあり、指はよい形で動き、歌心が育っているので、ピアノを弾くことが“困難”ではなく、楽しんで弾けることはもちろん、一番大切な“自分の音を聴く力”が育ちます。
 さらに、連弾の伴奏パートの和音やリズム・音色まで味わいながら演奏する“他のパートを聴きながら弾く”真のアンサンブル能力も、二段階導入法で培った基礎力の上に花咲きます。
 また、この第二段階「プレ・ピアノランド3」でとても重要なことは、生徒自身が楽譜を見て3つのタッチ(アーム・ハンド・フィンガータッチ)をどのように使い分けていくか考え始めるステップでもあること。音楽するということは、まずアナリーゼすることであり、考え、分析し、演奏していく中に喜びを見出していくことです。

 幼児の頃から、その"芽"を大切に育てていけるように、「プレ・ピアノランド」シリーズを役立てていただけたら幸いです。


☆3歳からの幼児のグループレッスン、個人レッスン、リトミッククラスなど、どんなメソッドを使う方にも応用できる内容です。

☆「プレ・ピアノランド1 2」で使う全29曲が1枚のミュージックデータ(XG・GS)になり、「プレ・ピアノランド1」のテキストと同時に3月に発売。

☆「プレ・ピアノランド2」「プレ・ピアノランド3」は、5月、7月と続けて発刊予定。

◆「ピアノランド」の指導法は、ピアノランドマスターコース(東京)、ピアノランド勉強会(全国各地)で学ぶことができます。お問い合わせ:03-5742-7542 ピアノランドメイト事務局まで

●プロフィール

1991年より連弾の手法を用い、歌詞でイメージを広げながら子供達の音楽性と演奏技術を開発する新しいメソッド「ピアノランド」を発表、ベストセラーとなる。現在、全国でピアノランドセミナーを開催、マスターコースではピアノ指導者を、ピアノランドスクールでは子供達を指導している。そのかたわら、ピアノ曲・ゲーム音楽・CM音楽等の作・編曲などを手がけ、ピアノ教育界に新しい提案と実践を続けている。著書に「ピアノランド1〜5」「ピアノランドたのしいテクニック上中下」「ピアノランドコンサート」シリーズ、またピアノランドメソッド入門用ビデオ「はじめから音楽を」教師向けビデオ「ピアノランドの世界1〜6」等がある。



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