2001.5月 第26号

ドレミ楽譜出版社


弾いて癒されるピアノ曲集
「ピアニストの休日」

呉竹英一

 
ピアノ曲集「ピアニストの休日」の誕生

 ヒーリング用のピアノ曲集は、あふれるほどたくさんあります。それなのに、「なぜ今、さらに音楽療法のためのピアノ曲集を作るの?」とよく尋ねられますが、答えは簡単です。
「アルファ波をはじめとする脳波などを実際に計測した、臨床的に裏付けのある音楽療法のための曲集がなかったから」です。

◆弾いても、聴いても、癒される曲

 私は7年前から、毎月一回自治体に協力して「音楽療法コンサート」を開催しています。このコンサートのアンケート集計をしながら、ピアノを弾ける人たちが次のような雑談をしていました。
「音楽は演奏する人の心を、聴く人の心に伝えるわけだから、弾いている人もアルファ波が出ているのかしら」
「そうね。聴いている人も弾いている人も、同じようにアルファ波が出ているはずだわ」
「じゃあ、弾く人は、弾きながら癒されているかもね」
「そんな曲のリストがあるといいな」
「それなら、弾いて癒される曲をさがそう」

 こうして、弾く人も聴く人も、同じ値のアルファ波のでる曲選びが始まりました。
 脳波には、ベータ波、アルファ波、シータ波などがありますが、このうちのアルファ波が身体をリラックスさせ、副交感神経を優位にし、身体の調子を整えるので、アルファ波の出る曲を捜すことになったのです。
 ピアニスト自らがデータ採りの被験者となり、「自分で弾いて自分を癒すピアノ曲」を捜しました。このようにして、クラシック・ポピュラーを問わず、多くのデータを集めてできたピアノ曲集が「ピアニストの休日」(ドレミ楽譜出版社)です。

◆オリジナル曲の創作と特徴

 音楽療法に使われている多くのピアノ曲は、当然音楽療法のために作られた曲ではありませんから、音楽療法のためのオリジナル曲の創作もしました。創作は、呉竹のアドバイスにより、たけうちゆみえが担当しました。
 また創作曲の臨床的数値については、音楽療法コンサートの会場で測定したところ、脳波(アルファ波)、血圧、脈拍ともに、聴く人の身体によい影響を与えることがわかりました。

◆楽譜や解説の特徴

*各曲における脳波などの計測データは、解説欄に一括して掲載し、くわしく説明してあります。
*音楽療法によく使われる曲は、初心者向けと上級者向けに二種類の楽譜が用意してあります。
*メロディラインが明確に表れるように、しかも全体として演奏が難しくならないように、易しくアレンジしてあります。
*音楽療法のための創作曲も掲載しています。

◆この曲集を効果的に弾くために

*できるだけ暗譜で、あまり鍵盤を見ないで弾いてください。
*自由に弾いていただくために、演奏記号などは極力省きました。既成の演奏法にとらわれず、思うママ、心のママに自由に弾いて下さい。
*聴く人がおられるときは、意識を集中して聴いてもらって下さい。アルファ波などの計測値が良い方向に変化します。

●呉竹英一プロフィール

玉川大学文学部教育学科(音楽専攻)卒。
小・中学校教諭を歴任し、現在聖泉短大にて「音楽療法」講座を担当している。
全日本音楽療法連盟認定音楽療法士。日本音楽療法学会評議員。カナダ音楽療法協会名誉会員。

●著 書

「元気の出る音楽療法」「歌の宝石箱1・2」(ドレミ)
「音楽の授業10のコツ」「合唱の初歩12のコツ」
「合奏の初歩12のコツ」(草土文化)他多数。

●たけうちゆみえプロフィール

大阪府立看護大学卒業。ペース・メソッドによってピアノを学び、音楽療法のための創作・演奏に力を注いでいる。また、2000年度カナダ音楽療法研究学会に参加するなど、音楽療法の研修・実践活動を続けている。



第27号へ

バックナンバー “index”へ

Topへ