2001.3月 第24号
ショパン
「超」ピアノ演奏法
「誰でもすぐ弾けるピアノ」
画期的な「数字奏法譜」で、
知っている曲がすぐに弾けるようになる!
戸塚 亮一
日本の音楽教育のあり方に疑問を投げかけているピアノ教育者は多い。日独でピアノの販売を業とし、ドイツに27年住む私自身も、楽譜は碌(ろく)に読めもしないが、日本の音楽教育事情には疑問を抱き続けてきた。その疑問や、ドイツ人のピアニストやピアノ教師と話したこと、そして私のピアノ独習法を整理すると、ひとつのメソッドが出来あがった。そうして生まれたのが「超ピアノ演奏法 誰でもすぐ弾けるピアノ」(ショパン社)である。
このメソッドのヒントとなったのは、以下の通りである。
◆バッハもベートーヴェンもショパンも「作曲家」である前に
「即興演奏家」であった。
◆幼児は会話を始めて1,2年でコミュニケーション能力を身に
つける。音楽もコミュニケーション手段の一つだとすると、どう
して楽譜を理解して、「読む」ところから入るのだろうか。
◆楽譜を使う演奏は、目から入った情報を運動神経に置き換
え、正確なタッチ、速度、指の形等が要求される。これではス
ポーツと変わりはない。
◆日本人がドイツ人のレッスンでよく指摘されることは「どう弾き
たいか」の意思の欠如である。こう弾きたい、聴かせたい、と
いう意思がなければ、ピアノ演奏は指の訓練にすぎない。
◆音楽は"耳の芸術"である。演奏を聴き、美的な感動を認識
し、自分はこう感動させたいという思いを抱き、それを音で実
現することが楽しい。
◆楽譜のなかった時代、音楽は伝承(伝唱)されていた。ところ
が、12世紀からの楽譜の登場により、楽譜が演奏活動に君
臨するようになる。つまり、読むという行為に比重が移って,
愉しむことや考えることが後回しになってしまった。
そこで、ふりだし―原点に戻って、全くの初心者がピアノを前にして、すぐ楽しめる方法を考えた。
●よく知っている曲であるならば、楽譜なしでもメロディと鍵盤の
位置関係がわかれば、あとはどこを押すかという順序の問題
である。そこで、数字で順序と鍵盤の位置関係を示す「数字
奏法譜」とそれを置く「譜面台」を開発した。
●曲には初めから一音のハーモニーをつけ、美的な感動がす
ぐ得られて、楽しく弾けるようにした。
●「数字奏法譜」では、最初から両手で弾くとともに、ペダルを
踏む、左手をオクターブ下げてみる、右手で適当にトリルを
入れる、数奏譜を横にずらして移調するなど、譜面上に書か
れていないことにも自由にトライできる。音楽とは、自由に考
え、実践できるからこそ最高の喜びになるのである。このこと
を生徒さんに伝えることが教師の使命であり、喜びでもある。
基本的な哲学の部分はさておいても、まずこのメソッドでレッスンを始めて頂きたい。半年、1年かけて十分楽しいレッスンを経験してから旧来のピアノレッスンに進んだとしても決して遅くはないし、むしろ旧来のメソッドを修正しつつ、本来のピアノ演奏が楽しくてしょうがないという世界が教師、生徒ともども実現できる。実際、当メソッドの生徒さんは「ピアノってこんなに簡単なんだ!」と驚き、インストラクターからは「このメソッドで音楽観が180度変わりました」との声が上がっている。
当メソッドでむしろ大変なのは先生の側である。何より頭の切り替えが必要になる。このためのセミナーは、本部で随時開催しているし、すでにこのメソッドで教えている講師と直接話すことも出来る。個人、先生を問わず、当メソッドに関心のある方は、どうぞ振興会本部までお問合せ下さい。
Tel.+Fax.06-4860-0080
●プロフィール
慶応義塾大学経済学部卒。
河合楽器製作所欧州駐在員を経て、1980年タイヨー・ムジークインストゥルメンテGmbHをドイツに設立。1987年日本に子会社タイヨ−・ムジーク・ジャパンを設立。1997年現在のユーロピアノ株式会社に社名変更。ドイツで電子楽器、ピアノ及び音響機器等、また日本ではピアノ・チェンバロの総代理店として、両国で輸出入、卸・小売業を営む。
そのかたわら、ドイツでの27年にわたる滞在経験を生かし、経営・音楽文化「トツカ・ピアノ・メソッド」の善及等、各分野にわたり、講演・執筆等多方面で活躍。
●おもな著書
「ベヒシュタイン物語」(南斗書房)
「大人のためのピアノレッスン〜入門編」
(トツカ・ピアノ・メソッド振興会) など。 |