2001.1月 第22号

音楽之友社

せんせいといっしょにうたってひける

「ピアノランド」シリーズ
発表会用曲集も仲間入りしました!


樹原涼子

 
   「ピアノランド1」(音楽之友社)が出版されたのが今からちょうど10年前、その頃はまだバイエルやメトードローズを使っている人が多く、ぜひ子どもに弾かせたいと思うような“初心者用の優れた楽曲教材”はほとんど出版されていませんでした。
 私自身は、ヨーロッパ、アメリカ、ロシアなどの新しい教材を使って指導していましたが、「バイエルで挫折したこの子を、音楽好きにして下さい」という生徒を引き受けたのをきっかけに、「自分が使いたいと思う教材をつくろう!」と思ったのです。

《ピアノランドの特徴》

●「ピアノランド1〜5」
 導入の本というと、単なる譜読みや指練習の課題が並びがちですが、ピアノランドでは「はじめから音楽を」をモットーに、どんなに短い曲でもメロディ、リズム、ハーモニーの美しさを味わえるように連弾曲でスタートします。
 昔の連弾曲のイメージを越えた、オーケストレーションを想定した曲の作りが、弾く人の心に触れるのでしょう。「ピアノが弾けるようになるための練習曲を弾く」のではなく、「この曲を弾いていると楽しい。弾いているうちに上手になった」という流れが自然にできていくのがピアノランドの特徴です。

●ピアノランドたのしいテクニック上中下
 3冊を通じて、指先のどの部分を用いて鍵盤に触れるかを『タッチポイント』という言葉を創って説明したほか、ピアノの仕組み、アーティキュレーション、休符の感じ方、ペダルの踏み方、和音をマスターするステップなど、他の本にはない独特のアプローチで、"考えて弾く習慣"をつけさせることができます。

《ピアノランドを使うポイント》

☆二段階導入法…… 「テクニック上」の"ピアノを弾く以前の項目"を充分習得してから「ピアノランド1」の曲を弾き始めると、はじめから美しい手の形で良い音で演奏できるようになります。

☆ミュージック・データ…… 自宅練習・レッスンで上手に利用すると、楽しいのはもちろん、音楽家の財産であるテンポ感が早くから身につき、他のパートまで聴きわける良い耳が育ちます。

☆実力をつけるには目的と方法を明確に! …… 漠然と次の曲に進んで生徒をつまづかせてしまう先生がいます。テクニックの対応レッスンを先行させて、"その曲を弾くために必要な考え方やテクニック"を身につけさせてから曲で表現する喜びを教えてください。そうすれば、生徒はなぜそうした方が良いのか理解して、他の曲にも応用できる力をつけながら、楽しんで曲を弾くことができます。

 今年は発表会のレパートリー、併用曲集としても使える「ピアノランドコンサート上中下」を発行しました。優しい曲でも聴き応えのあるボリュームで、もちろんデータも(XG、GS)。「テクニック上中下」に対応しているので、難易度別にソロと連弾が選べること、譜めくりがいらないことなど、使いやすさを考えました。すでにあちこちの発表会で好評とのことでとても嬉しいです。特に下巻のお話組曲は発表会でのすてきなコーナー作りに役立つと思います。
 ジャンルにこだわらず音楽を愛し、専門的な力をつけていけるようにと作った「ピアノランド」を、多くの先生が上手に使ってくださることを願っています。

 「ピアノランド」の指導法は、ピアノランドマスターコース(東京)、ピアノランド勉強会(全国各地)で学ぶことができます。
お問い合わせ:03-5742-7542 ピアノランドメイト事務局まで


●プロフィール

 武蔵野音楽大学器楽学科ピアノ専攻卒業。ピアノを白石百合子氏に、ジャズピアノ・編曲を故八城一夫氏に師事。れんだんのしゅほうやかしをもちい、子供の音楽性と演奏技術を開発する新しいメソッド「ピアノランド」(音楽之友社刊)を発表、ピアノ教育界に新しい提案と実践を続けている。
著書に「ピアノランド1〜5」「たのしいテクニック上中下」「ピアノランドコンサート上−1カンガルーのニーナ、中−1 ビッグサマー、下−1 子猫のワルツ」(CD、ミュージックデータも発売)「バイオリンランド12」(安部慶子氏と共著)等がある。またゲーム音楽「リンダリンダリンダアゲイン」「俺の屍を超えてゆけ」等も手がける。歌手としても「ギリシャ神話のように」(ミディ)をはじめとしてコンサート・ライブを重ね、活動の場を広げている。



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