2000.7月 第16号
音楽之友社
「連弾 うたとピアノの絵本」
呉 暁
♪連弾楽譜があれば……!
「連弾楽譜があればよいのに」というご要望を、『うたとピアノの絵本』が出版された1989年当初から頂いていましたが、そのままになっていました。
1998年に、多彩な楽器の音色を使った『CDうたとピアノの絵本』ができて、あまりに評判がよかったので、音楽を担当した佐藤誠一さんに、連弾用の編曲も依頼したところ「楽譜を見て弾くよりも、ピアノの先生が即興で伴奏をしたほうが楽しいのではないか」というやりとりもあって、編曲のやり方についてしばらく考えていました。
CDがとても楽しい音楽なので、そのイメージを生かそうということになり、日頃はテレビや舞台の仕事を手がけている佐藤さんは、前奏と後奏が長すぎないこと、あまり難しくないこと…… などに注意しながら、今年に入ってから、連弾楽譜の編曲に集中的に取りかかりました。
♪盛り込まれたユーモア
出来上がってきた曲を、生徒と一緒に弾いてみたら、「つぎも弾く、つぎも……」といってなかなか帰らないので困りました。子どもたちがこんなに喜んでくれるのを見て、私も本当にうれしくなりました。
この編曲は、単純な伴奏というだけではなく、何回か弾いているうちに「あっ、そうか!」と気づいてうれしくなるようなユーモアが盛り込まれています。
例えば「どうしましょう わっちゃった コーヒーカップとおさら」(第2巻に収録)が終わると、 運命 の「タタタ・ターン」がなります。こんなことは、即興では考えられませんね。これ以上種明かしはしませんから、先生と生徒さんで探して楽しんで下さい。
♪完成された幼児指導
CDを聴いて、1歳の赤ちゃんは体を動かして喜び、2〜3歳になれば、大きな声で歌うようになります。これは、上等な情操教育でもあり、“音あて”よりもずっと効果的な音感教育になっています。
4〜5歳になれば、『うたとピアノの絵本』をみてピアノを弾くようになります。絵本を始める前か、または同時に『4才のリズムとソルフェージュ』に入って『5才のリズムとソルフェージュ』に進めれば、子どもたちは良いリズム感と、読譜力を身につけることができます。
こうした総合的な指導に、この度『連弾うたとピアノの絵本』が加わることによって、私の『うたとピアノの絵本』を中心にした幼児指導が、より完成された形で実現できることになりました。
『連弾うたとピアノの絵本』は『うたとピアノの絵本』が進んでいくと同時に使ってもよく、3冊とも終わってしまってからはじめてもよいのです。
レッスンの場だけではなく、ご家庭でも「たのしいあそび」として、連弾を楽しんで頂ければ…… と、心から願っています。(文中に登場の楽譜・CDはすべて音楽之友社より発行)
●プロフィール
武蔵野音楽大学ピアノ科卒業。同専攻科修了。
米国インディアナ州ポール大学留学。ピアノを横井美知子、エドワード・ハウスマン、ソルフェージュをアネット・デュドネの各氏に師事。
現在自宅にて幅広い生徒に趣味のピアノを教える傍ら、セミナーにも意欲的に取り組んでいる。
●著 書
「うたとピアノの絵本@AB」
「4才のリズムとソルフェージュ」
「5才のリズムとソルフェージュ」
「リズムとソルフェージュ@AB」
(いずれも音楽之友社)ほか多数。 |