2000.5月 第14号


音楽之友社 
ぴあのくらぶ
「ラララ12か月」

飯田和子

  レッスンの中に5分くらい季節の歌を楽しむ時間を取り入れてみませんか? この本は、そんな願いを持つピアノの先生たちの手によって生まれました。
  ’97年夏、数名のピアノの先生が集まり、教室の状況、使用教材、指導の展望などを語り合う機会がありました。その席で話題になったのが、今の子どもたちがあまりに童謡やわらべ唄を知らないという事実でした。その事実を受け、いま家庭でも幼稚園でもあまり歌われなくなっているこれらの歌の 語りべ になろうと楽譜制作が始まり、その企画・編曲・編集の全てを担う “ぴあのくらぶ”が発足、そして『ラララ12か月』(音楽之友社)が生まれました。
 「ラララ12か月」は「はる・なつ版」「あき・ふゆ版」の2冊で構成、各月ごとに2曲ずつ、季節にちなんだ童謡やわらべ唄を取り上げています。導入期のピアノの本ですが、他の曲集とは違って、最初のページから順番に弾きこなすことを目的とはしていません。どのページから始めても良いのです。レッスンを始めた月のページを開いてスタートできます。
 レッスンは、まずはぬり絵用の大きな絵を見て、先生と季節のお話をし、イメージをふくらませてから歌を歌います。そして、各ページに載っているリズムパターン譜を参考に、手や打楽器でリズム遊びや手あそびをし、ひとしきり先生と一緒に楽しみます。いよいよピアノを弾きたくなったら、鍵盤図の指示ポジションの通りに手をピアノに置き、楽譜を見ながら弾いてみると、不思議に弾けてしまいます。なぜなら、その楽譜は、3〜4歳児でもメロディラインが弾けるよう、指かえがなく、左手は緑色に色分けされ、大変見やすくなっているからです。
 また、現代の子どもの感覚にマッチするよう、伴奏譜のアレンジには力を入れました。サンバ風・ロック風・カーペンターズ風・邦楽風…… など、いろいろなスタイルがあります。本の中の先生用楽譜は初見でも弾けるようシンプルに、綴じ込み別冊楽譜はステージでも映えるよう趣向を凝らした編曲にしてあります。そして、全曲ミュージックデータ対応なので、オーケストラサウンドと演奏することもできます。
 この3月には「コミュニケーション」をキーワードにして、このシリーズ続編の曲集「ラララ発表会」が完成しました。“ぴあのくらぶ”が提案する全く新しい企画や演出でいっぱいの発表会用曲集です。@A巻はバイエル初級、BCF巻は中級、DEF巻は上級程度。@「動物園へ行こう」A「森へ行こう」はナレーションでつなぐ物語構成、B「南の国のリズムとうた」C「日本のうた」は学校の教科書からの選曲で、ラテン打楽器や邦楽器等とのアンサンブル、D「手話とあそび」E「からだも楽器」はボディパーカッション等で客席と舞台が一緒に楽しむ企画、F「クリスマス」は聖夜物語入りの心温まる曲集になっています。
 子どもの日々の成長は本当に目覚しいもの。4歳の時には、ぬり絵と歌だけだった子が、翌年5歳になった時にはピアノが弾けるようになっているかもしれません。先生やお母さんと共に過ごした年月を積み重ねて何年間も愛用し、「想い出のアルバム」のような本になってくれたらと願っています。
  ぴあのくらぶ は、これからも、現場の先生ならではの気配りとアイディアに満ちた新しい本づくりを目指し、愛情いっぱいの発信を続けたいと思っています。


●プロフィール 
 東京学芸大学音楽科、作曲専攻卒業。作曲を柏木俊夫氏、ピアノを小島喜久寿氏に師事、小学校音楽専科教諭、東邦音大付属高校教諭を経て、ペース・メソッド実践者としてグループレッスン法セミナーを各地で開催。’97年、谷口啓子、中森智佳子両氏と「ぴあのくらぶ」のメンバーとして「ラララ12か月」を制作。

●著 書
「ラララ12か月 はる・なつ/あき・ふゆ」
「ラララ発表会@〜F」(音楽之友社)
(いずれも谷口啓子、中森智佳子両氏と共著)



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