2007.10月 第103号
音楽之友社
じゃんじゃん
ぐるぐるピアノ
ピアノであそぶ連弾曲集
(伊藤康英 編/税込価格 1470円)
伊藤康英
「ぐるぐるピアノ」シリーズ第3弾「じゃんじゃんぐるぐるピアノ」が出来上がりました。もうご存知の方も多いとは思うのですが、まずは「ぐるぐるピアノ」とは何か説明しておきましょう。
ぐるぐるピアノとは?
もともとは、高校の音楽の教科書のために考えたアイディアで、「クラス全員で弾けるキーボード・アンサンブル曲を作ってほしい」という依頼でした。キーボードといっても、もしかすると教室にはピアノ1台しかないことも考えられる。それをクラス全員でどう弾かせたらいいのか。そこで、カノン形式の曲を作り、それが、次第に下から上へと音域が上がっていくようになっている、すると、次々奏者が加わり、クラス全員がローテーションしながら合奏に参加できる、というふうにしました。運動会の大縄飛びみたいな仕掛けですね。演奏には椅子を使いません。で、最初に「たまご」パートを弾いていた人は、次には「ひよこ」、そうして「ぐるぐるどり」パートを弾くことになる。このぐるぐる入れ替わりながら演奏する方法を、「ぐるぐるピアノ」と名付けました。
この本は、その「ぐるぐるピアノ」を主軸にしていますが、しかしそれだけではありません。「目玉商品」がたくさんあります。
「じゃんじゃんぐるぐるピアノ」の楽しみかた
これまでの「ぐるぐるピアノ」(第1弾。2005年出版)では、単純な和音の面白さを説きましたし、「どんどんぐるぐるピアノ」(第2弾。2006年出版)では、メロディの面白さ(単純な音階でも立派なメロディになってしまう)を取り上げました。今回は、第1弾で取り上げたような単純な和音の上に、簡単なメロディを作ってみます。つまり、メロディの即興演奏というわけです。また、「刺繍音」や「経過音」といった非和声音まで説明しています(こんなに分かりやすく説明してある本はほかにはないぞ)。
もちろんこの曲集は、「教則本」ではありませんから、まあ楽しんでいただければそれでいいのです。それで、ふと気が付くと音楽のいろいろな知識が身に付いている、というわけです。
それが今回の「目玉」の一つ。
ほかにも「目玉」はたくさんあり、たとえば、ホルストの「木星」のメロディを使っていろいろと遊んだり、それから、「ハノン」を連弾で楽しく弾いてしまおうという「ふたりでハノン」とか(これは、先般おこなったセミナーで大変に好評でした)。
そしてなにより、楽譜がまだ読めない人でも楽しめる連弾曲から、高度な連弾曲まで、さまざまなレヴェルの作品を収めてある、というのも独特だと思います。つまり、これ1冊(というか、シリーズ全部買いそろえて3冊)あれば、ピアノのレッスンの合間に、どんな人でも気楽に連弾を楽しむことができる。レッスンやコンサート、さまざまな場面でお使いいただけるというわけです。
このあいだ、台湾に行ったときに、台湾の音楽仲間とやってみたところが、「ぐるぐるピアノ」かなり好評でした。いよいよ「ぐるぐるピアノ」、国境をこえても楽しんでいただけるようになりました。是非みなさんもどうぞ。
ところで、私の携帯用ホームページに、動く「ぐるぐるひよこ」の画像をアップしました。このQRコードからGetしてください。
伊藤康英(いとう・やすひで)
作曲家。ピアノ連弾の「ぐるぐるピアノ」シリーズや吹奏楽のための交響詩「ぐるりよざ」などで知られる(両方とも「ぐる」がつく)。
吹奏楽作曲では世界的に知られる一方、ピアニスト、指揮者など幅広く活躍している。
東京芸術大学および同大学院修了。静岡県音楽コンクールピアノ部門優勝、日本音楽コンクール作曲部門入賞などの経歴を持つ。
現在、洗足学園音楽大学教授、東京芸術大学非常勤講師。
ホームページはhttp://www.itomusic.com |