2000.1月 第10号

美しい映像と優れた音質のビデオで、
ピアノを弾く喜び・聴く楽しみを再発見!
 
春秋社「ピアノ奏法 ビデオ版」

井上直幸

 『ピアノ奏法』は一昨年11月末の発売以来たくさんの方が読んでくださって、非常に嬉しく思っています。ただ、なにしろ初めて書いた本なので、この反響の大きさには正直言って戸惑っているというか、不思議な感じもしていますが……。 
 発売当初から、活字だけではなく実際に音を聴きたいというお便りがたくさん寄せられて、僕自身も書いているときから、音楽のことを文章だけで伝えるというのはほとんど不可能だと痛感していたので、ビデオ化のプランが起こったときには、少し大変だけれどとても良いことだと思いました。
 ビデオの内容は、本の内容が基本になっていますが、新たに作曲家ごとの話を付け加えました(これは、本の続編として計画していたものです)。

第@巻「作曲家の世界 〜 バッハからドビュッシーまで」
 代表的な作曲家七人(バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、ドビュッシー)をとりあげて、それぞれの音楽の特徴、スタイルと演奏法のポイントと思われるものを、僕なりにまとめてみました。言葉ではなかなか伝えにくいことを、今回のビデオではいろいろな曲を例として演奏していますので、聴いてみて何らかのものを感じ取っていただければ嬉しいです。この巻は、必ずしもピアノを演奏しない方でも、音楽が好きな方ならば、きっと楽しんで見ていただけると思います。

第A巻「さまざまなテクニック 〜 タッチとぺダリング」
 本のなかで詳しく説明した技術的な問題を、ピアノの弦やダンパー、ペダル、指や手足の動きをクローズアップして撮影してもらい、いろいろな曲例を演奏しながら説明しています。「こう弾かねばならない」ということではなく、ビデオを見る方々が、それぞれ自分が演奏するときのヒントにしていただければと思います。

 ビデオでは、できるだけ雰囲気のいい美しい映像と、響きの細かいニュアンスが伝わるような録音ができればと願っていましたが、幸い、優れたスタッフに恵まれました。もちろん、僕の話と演奏が良くなければいけませんが、100%の出来などということは不可能で、少なくとも、現在のところの僕の考えはある程度伝えることができたのではないかと思っています。
 ピアノを弾く方たち、教えている先生方のために、何かの参考になれば幸いです。

『井上直幸 ピアノ奏法』〔ビデオ版 全2巻〕3月中旬発売予定
第@巻「作曲家の世界〜バッハからドビュッシーまで」(約 分)第A巻「さまざまなテクニック〜タッチとぺダリング」(約 分)
               @Aとも価格 各4200円+税
【スタッフ】制作・発売=鰹t秋社/演出=潟eレビマンユニオン 大原れいこ/技術=且ハ影 後藤修/音響技術=潟Jメラータ・トウキョウ 高島靖久/調律=梅垣信夫/使用ピアノ=スタインウェイ ハンブルク製 D二七四モデル/収録=八ヶ岳高原音楽堂


●井上直幸
 1940年福岡生まれ。桐朋音大ピアノ科卒後、1964年西ドイツに留学。フライブルグ国立音楽大学卒、同大学講師となる。
 1966年ミュンヘンでピアニストとしてデビュー。1976年まで12年間、ドイツで教育・演奏活動を行なう、その間ルドルフ・ゼルキンの招きによりマールボロ音楽祭に参加し、またシェーンベルクのピアノ全曲の演奏会と録音で高い評価を得る。1976年帰国後、NHK「ピアノのおけいこ」に出演。その誠実な人柄、明快な指導で多くのファンを獲得した。(1982年にも再登場)その後、リサイタル、オーケストラとの共演、CD録音など多彩な活動を展開。
 現在、武庫川女子大学教授。校訂楽譜に「ハイドン・ピアノ作品集」(全2巻、春秋社)がある。



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